認知症と生きていく

完治はできなくとも最善のケアを

看護師が知っておきたい認知症ケア!患者さんと接する際に注意すべき点とは?

看護師に求められる認知症ケアには、さまざまな職務がある。その中でも重要なものの一つに、患者さんとのコミュニケーションが挙げられる。認知症を患うと、多くの人は自身の気持ちや体調の変化などを周囲へ伝えることが難しくなってしまう。その結果、他人とのコミュニケーションが減ってしまい、孤独感が増したり精神的なストレスの原因となるのだ。そうしたマイナスの気持ちで毎日を過ごしていると、認知症の進行が進みやすいというデメリットもある。

看護師が認知症ケアで患者さんと接する際には、この点をよく理解した上で、患者さんの話を遮らないように注意することが重要だ。話を遮ってしまうと、患者さんは話を聞いてもらえないと感じて、口を閉ざしてしまう。そうならないよう、患者さんの話を傾聴する姿勢を意識すると良いだろう。傾聴することによって患者さんは安心感を得ることができ、精神的なストレスの軽減に加えて看護師への信頼度が増すことになる。

また認知症ケアにおいては、普段よりも特にユマニチュードを意識する必要がある。これは、ケアする患者さんに対して「あなたは大切な存在です」という気持ちを込めて看護するというものだ。患者さんとしっかり目線を合わせたり、声掛けする際には背中に触れることで安心感を与えるなど、患者さんの気持ちファーストな看護を心がけると良いだろう。

また認知症だからといって寝たきりでは、患者さんの筋力が低下してしまう。そうならないよう、毎日短時間でも良いので歩いたり自身で立つ機会と時間を設けることは、認知症ケアに必要な要素の一つである。